2026年6月、診療報酬の算定要件が大きく変わりました。
これまでの「医療DX推進体制整備加算」と「医療情報取得加算」が廃止され、新たに「電子的診療情報連携体制整備加算」が設けられています。オンライン資格確認は既に多くのクリニックで導入済みですが、今回の改定では、それだけでは足りない仕組みになっています。
本ページでは、この新しい加算の内容と、電子処方箋・オンライン資格確認との関係を整理したうえで、日々の予約・受付業務とどうつながっているのかを、予約システムの目線で解説します。
これまで医療DXへの取り組みを評価する加算としては、「医療DX推進体制整備加算」と「医療情報取得加算」という2つの加算が存在していました。
令和8年度の診療報酬改定では、この2つが廃止され、「電子的診療情報連携体制整備加算」として再編・統合されています。単なる名称変更ではなく、評価の考え方そのものが見直された点がポイントです。
従来の加算は、システムを導入しているかどうかが評価の中心でした。
今回の再編では、オンライン資格確認や電子処方箋、電子カルテ情報共有サービスを実際にどれだけ活用できているか、という「活用実績」が問われる方向へと転換しています。マイナ保険証の利用率など、日々の運用実態が評価に関わってくる点が、これまでとの大きな違いです。
これは、「システムを入れて終わり」にしていたクリニックにとっては見直しが必要になる変化です。
窓口でマイナ保険証の利用を案内しているか、電子処方箋を実際に発行しているかといった日常業務の積み重ねそのものが評価対象になるため、システム面だけでなく、スタッフの運用意識も含めて対応を進めていく必要があります。
新しい加算では、マイナ保険証の利用率について一定の水準を満たすことが求められる区分があります。
システムを導入しているだけでなく、窓口で実際にマイナ保険証を使った資格確認がどれだけ行われているかという運用の実態が評価対象になっています。
加算の区分は、電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスへの対応状況に応じて段階的に分かれています。
上位の区分を目指す場合は、これらのシステムを導入したうえで、実際の診療の中で活用している実績が求められます。
電子カルテ情報共有サービス(医療機関間で診療情報を電子的に共有する国の仕組み)は、全国運用の開始が2027年1〜2月頃に予定されており、2026年6月の改定時点ではまだ全医療機関が利用できる状態ではありません。
そのため、当面の間は基準を満たしているとみなす経過措置や、地域の医療連携ネットワークの活用でも要件を満たせる扱いが設けられています。ただし、単に参加しているだけでなく、一定頻度で情報を閲覧・共有しているという運用実績が求められる点には注意が必要です。
オンライン資格確認は2023年4月から原則導入が義務付けられており、既に多くの医療機関で稼働しています。
そのため、「オンライン資格確認を導入するかどうか」という段階は、多くのクリニックにとって既に過ぎていると考えられます。
今回の加算では、オンライン資格確認を導入しているという事実だけでなく、マイナ保険証の利用率や、電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスの活用状況まで含めて評価されるため、既に導入済みのクリニックであっても、あらためて自院の活用実績を確認しておく必要があります。
マイナ保険証の利用率を高めるには、窓口だけでなく、予約や受付のタイミングで案内・連携できる仕組みがあると効果的です。
予約システム側でマイナ保険証の利用案内や資格確認の連携をスムーズに行えるかは、活用実績を積み上げるうえで意外と見落とされがちなポイントです。
オンライン診療を行っているクリニックでは、予約から診察、処方箋の発行までの一連の流れがどれだけスムーズにつながっているかが重要です。
予約システムとオンライン診療、電子処方箋がうまく連携していれば、診察後の処方箋発行までの手間を減らしつつ、活用実績としても積み上がっていく形になります。オンライン診療対応の予約システムについては「オンライン診療に対応した診療予約システムとは?」でも解説しています。
電子的診療情報連携体制整備加算への対応を進めるにあたり、予約システムの選定・見直しでは以下の観点を確認しておくとよいでしょう。
予約・受付の場面で、マイナ保険証の利用を案内・促進できる仕組みがあるか。
オンライン資格確認システムと予約受付データの連携がスムーズに行えるかを確認します。
電子処方箋システムや電子カルテ情報共有サービスとの連携に対応しているか。
対応していない場合、経過措置の対象になるか、今後どのタイミングで対応を検討すべきかを整理しておきましょう。電子カルテとの連携全般については「診療予約システムと電子カルテ連携」で詳しく解説しています。
導入するだけでなく、日々の診療の中で継続的に活用できる運用体制を整えられるか。
スタッフが無理なく使い続けられる操作性も、活用実績を積み上げるうえでは重要な要素です。せっかく機能を導入しても、操作が複雑で現場に定着しなければ、活用実績として積み上がっていきません。予約受付の流れの中で自然にマイナ保険証の利用や電子処方箋の発行につながる導線になっているかを、実際の画面や操作手順で確認しておくとよいでしょう。自院の課題に合わせた総合的な選び方は「診療予約システムの選び方」もご覧ください。
診療予約システムは、患者様の利便性向上と医院の業務効率化を同時に叶える強力なツールです。
ここでは数あるシステムの中から、自院に合ったものを選べるよう、ニーズ別に厳選した3システムをご紹介します。