「令和8年度の診療報酬改定でBCPの策定が必須になった」という話を耳にして、自院も対応が必要なのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、今回のBCP策定の要件化は、すべてのクリニックが対象になったわけではありません。
本ページでは、BCP(事業継続計画)策定が施設基準に盛り込まれた背景と対象範囲を正確に整理したうえで、予約システムが止まってしまった場合の代替運用の考え方、選定時に確認しておきたいポイントを解説します。
令和8年度の診療報酬改定では、かかりつけ医機能を評価する「機能強化加算」の施設基準に、BCP(事業継続計画)の策定および定期的な見直しが新たに追加されました。機能強化加算を届け出ている医療機関は、全国で約13,500件とされています。
同様に、在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院の施設基準にも、BCPの策定と定期的な見直しが追加されています。
在宅医療を担う医療機関にとっては、災害時や感染症拡大時にも訪問診療を継続できる体制づくりが、あらためて求められる形になります。
既にこれらの施設基準を届け出ている医療機関には、令和9年5月31日までの経過措置が設けられています。
一方で、改定後に新たに届出を行う医療機関には経過措置がなく、届出時点から適用されるとされています。該当する医療機関は、期限までの対応状況を確認しておく必要があります。
今回のBCP策定の要件化は、機能強化加算や在宅療養支援診療所等、特定の施設基準を届け出ている医療機関に限られます。予約システムを使っているクリニックすべてに、一律でBCP策定が義務付けられたわけではありません。
ただし、こうした施設基準の対象でないクリニックであっても、システム障害や災害時に受付・予約業務が止まってしまうリスクそのものは同じようにあります。対象かどうかにかかわらず、代替運用の考え方を知っておくことには意味があります。
予約システムが何らかの理由で利用できなくなった場合、一般的には紙の予約台帳や電話での受付に一時的に切り替える運用が取られます。
普段からシステムに頼り切っていると、いざという時に紙運用への切り替え手順が分からず現場が混乱しやすいため、簡単な手順だけでも事前に決めておくと安心です。
予約データや患者データがどこに、どのような頻度でバックアップされているかは、障害時の復旧スピードを左右します。
クラウド型かオンプレミス型かによって、バックアップの仕組みや災害時の特性が異なるため、自院に合った形を理解しておくことが大切です。クラウド・オンプレミスの違いは「診療予約システムのクラウド・オンプレミスの違い」で解説しています。
データのバックアップ頻度・保存先が明確になっているか。
障害発生時にどの程度の時間で復旧が見込めるかをベンダーに確認しておきましょう。
障害発生時の代替受付手順(紙運用・電話受付等)を、自院であらかじめ準備できているか。
ベンダー側の体制(第三者認証の取得状況等)については「診療予約システムと医療情報セキュリティガイドライン」でも解説しています。
自院が機能強化加算・在宅療養支援診療所等の対象に該当するか、該当する場合は経過措置の期限を把握できているか。
自院の課題に合わせた総合的な選び方は「診療予約システムの選び方」もご覧ください。
診療予約システムは、患者様の利便性向上と医院の業務効率化を同時に叶える強力なツールです。
ここでは数あるシステムの中から、自院に合ったものを選べるよう、ニーズ別に厳選した3システムをご紹介します。