診療予約システムのLINE配信やメール配信は、休診のお知らせや再診の案内など、患者とのコミュニケーションを効率化できる便利な機能です。
ただ、「友だち登録してくれた患者さん限定の配信だから、広告の規制は関係ない」と考えているとしたら、注意が必要かもしれません。
本ページでは、LINE・メール配信と医療広告ガイドラインの関係を整理したうえで、配信時にやってしまいがちなNG表現、自由診療の案内で満たすべき要件、そして配信前に確認しておきたいチェックポイントを解説します。
医療法に基づく医療広告ガイドラインでは、ある情報発信が「医療広告」に該当するかどうかを、2つの要件で判断します。
1つは「患者の受診等を誘引する意図があること」(誘引性)、もう1つは「医療機関や医師の名前が特定できること」(特定性)です。この2つをいずれも満たす場合に、医療広告としての規制対象になります。
厚生労働省の通知では、院内掲示や院内で配布するパンフレットについて、情報の受け手が通常すでに受診している患者等に限られるため、誘引性を満たさず、広告には該当しないという整理が示されています。
一方でLINE公式アカウントやメルマガの配信は、院内掲示とは状況が異なります。友だち登録・会員登録をした患者宛てであっても、施術の案内やキャンペーン情報など来院を促す内容を含む配信は、誘引性を満たすと解釈されることが多いとされています。「院内限定の案内と同じ扱いになる」と考えるのは早計です。
「必ず治る」「絶対に痛みがなくなる」といった、効果を断定・保証するような表現は、虚偽広告や誇大広告として禁止されています。
配信メッセージは手軽に作成できる分、チラシや看板と同じ基準で表現がチェックされるという意識が抜け落ちがちな点に注意が必要です。
「地域で一番」「他院より安い」といった比較優良広告や、患者の主観に基づく体験談を広告として使うことも禁止されています。
配信の中でうっかり患者さんからの感想をそのまま引用して紹介するような使い方は避けたほうがよいでしょう。
自由診療のメニュー案内など、通常は広告できる事項が限定されている内容であっても、一定の要件を満たせば限定が解除され、広告が可能になります。
この「限定解除」の要件として、治療の内容、費用、治療に伴うリスクや副作用、問い合わせ先などを明示することが求められています。保険診療と自由診療を併設するクリニックでは、この要件を踏まえた案内文の設計が特に重要です。
前回の来院日や診療内容をもとに、対象を絞り込んで配信する「セグメント配信」は、予約データを経営改善に活かす有効な手段です。
一方で、診療履歴は要配慮個人情報にあたるため、配信にどのように使うかをあらかじめ患者に説明し、同意を得ておく運用が望まれます。セグメント配信の活用方法については「診療予約システムの予約データで経営分析」でも解説しています。
効果を断定・保証するような表現になっていないか。
他院との比較や、患者の体験談をそのまま引用していないかを確認します。
自由診療の案内を配信する場合、費用・リスク・問い合わせ先など、限定解除に必要な情報を明示できているかを確認します。
診療履歴等をもとにしたセグメント配信を行う場合、利用目的の説明と同意取得の運用が整っているかを確認しましょう。配信機能そのものの詳細は「診療予約システムのLINE機能」もご覧ください。
診療予約システムは、患者様の利便性向上と医院の業務効率化を同時に叶える強力なツールです。
ここでは数あるシステムの中から、自院に合ったものを選べるよう、ニーズ別に厳選した3システムをご紹介します。